青果物案内
市場便り
珍しく花ニラが出ていました。
2021-09-09
本日は花ニラです。
あまり見かけませんが、きれいにパック詰めされたものが9月になってから数回出ていました
花ニラは、ニラがとう立ちして蕾がついた花茎のことです。
葉を食用とするニラに対して花を食べるので、花ニラと呼ばれています。もともとは中国料理で使われてきた食材です。シャキシャキとした歯ごたえでほんのり甘味があり、香りは葉ニラより控えめです。火を通すと花ニラの香りと甘みがより強く引き出されるため、炒め物やスープなどに適しています。
一般的な青ニラを食用として収穫することもできますが、花芽が付きやすく味の良い花ニラ専用の品種も開発されています。
食用とは別に観賞用の花ニラもあります。こちらは外見がよく似ていますが、別名アイフェイオンといわれ毒があり、下痢を引き起こすので食べることができません
同じ名称でややこしいですが、花のつき方で見分けることができます。観賞用の花ニラは花茎の先に花が1つ開くのに対し、食用の花ニラは花茎の先に小さな葱坊主のようなものができ、開くと小さな花がたくさん展開します。
蕾が程よい大きさで、やわらかさを感じるものがおすすめです。茎の部分が花の付け根までシャキッとして、立てたときに首を垂れないものが良いでしょう。蕾が乾燥していたり、花が開きかけのものは食感がかたいことがあります。また、切り口が乾燥しすぎているものや変色しているものは、鮮度が落ちているので避けて下さい。
花ニラは1年を通して出荷されていますが、開花期は露地栽培の場合4月頃から10月頃までとなります。たくさん出回りおいしく楽しめる時期は5月から9月頃となります。
保存方法としては、新聞紙に包んでさらにポリ袋に入れて輪ゴム等でしっかり閉じて密閉し、冷蔵庫の野菜室で保存してください。できれば立てて保存するのが理想です。日持ちはあまりしないので早めに消費するようにしましょう。
ニラは冷蔵庫に保存していても呼吸により酸素を消費して二酸化炭素を排出しています。密閉すると呼吸による低酸素・高二酸化炭素状態になり、呼吸が抑制されるようになるため保存期間が長くなります。また、密閉することにより、ニラの匂いが冷蔵庫内に蔓延するのを防止することもできます。
もし使いきれない場合は冷凍保存も可能です。さっと水洗いして水気をしっかりとり、適度な長さに切って保存袋に入れて下さい。
旬の時期はもうすぐ終わりますが、花ニラは炒め物以外にもお浸しや卵とじ、かき揚げでもおいしくいただけます。どれも葉ニラとは違った風味を感じられるので、見かけたら是非試してみて下さい